春さきの「不安」や「イライラ」は「肝」の養生で対応しましょう!
いよいよ、新型コロナウイルス についても、とりあえずの着地点に向かって、わたしたちは最終コーナーをまわったと考えます。
感染者数も減少傾向にあり、ワクチン接種も開始されました。
しかし、ここで、気を抜くことなく、この時期を乗り切りたいと思います。
そこで、今月の養生として、冬から春へと変化の季節(体調が不安定になりやすい季節)において、免疫力を落とさない養生を解説します。
適度な運動で陽気を発散しましょう!
漢方では、この季節を発陳(はっちん)と呼びます。
万物が「さあ、これから繁栄するそ!」と、意気込む季節の意味です。
なので、この時期の養生のポイントは、適度に屋外で体を動かすこと。
そして、たくさんの陽気を取り入れて、同時に陽気を発散することです。
なぜなら、活動量が少なすぎると、余分な陽気を溜め込み、体がけだるくなったり、気分が安定せずイライラしやすくなるからです。
東洋医学では「肝」はストレスに敏感なシステム(東洋医学では「肝」を臓器だけでなく、機能として捉えています)と考えます。
そして、余分な陽気は「肝」を消耗させて、自律神経を不安定にさせる。
自律神経が不安定になると「免疫力」が落ちてしまいます。
食養生は「苦味」と「酸っぱさ」がポイント
そこで、この時期の食養生として、春の食材には「肝」を助ける「苦味」を利用します。
また、苦味に加えて「酸っぱさ」も重要!
「肝」の働きを助けます。
また、ストレスに敏感な「肝」をサポートするためには、感情のコントロールもとっても大事になりますね。
穏やかな気持ちで、時には、ものごとを楽観的に、開放的に捉えることも重要!
この1年間で生活様式が大きく変化しました。
気を引き締めるところは引き締めて、また、過度な萎縮や警戒を避けるための情報収集とマインドセットも必要です。
春の食材
玉ねぎ なずな 菜の花 うど たけのこ ふきのとう わらび こごみ
いちご キーウイ 柑橘類
アジ カツオ サワラ あさり
肝の働きを助ける「酸っぱい」食材
梅 ゆず トマト レモン
春の食養生は血の浄化がポイント!
春は血の浄化のためは「たっぷりのお野菜」「多めの水分」
そして「腹6分目から7分目」をゆっくり美味しく頂きましょう!
今月のツボ療法は、目の痒み、疲れ、充血に対応
春の訪れとともにやってくるのは、花粉の季節。
花粉症の方はたいへんです!
目の痒みで悩まされる時に、お勧めするのが「承泣(しょうきゅう)」のツボ!
目の疲れや充血にも効果的です。
承泣(ショウキュウ) の場所と刺激方法
承泣は、瞳孔(くろめ)の真下で、骨のきわにあります。
人差し指を曲げ、指の関節の尖ったところをツボにあて、息を吐きながら5秒から10秒押します。
強さは、痛気持ち良い程度です。
指先を使わないのは、感染のリスクを少しでも軽減することと、指を曲げてできる関節を使うことによって、少しの力でじゅうぶんな刺激ができるからです。

コロナワクチンについて
コロナワクチンの接種が始まりました。
ワクチン接種の目的は、
「感染力が弱い、もしくは無毒化した病原体(ウイルスや菌)を体に入れることにより、病気に対する力(免疫)を作る」ことです。
ワクチンの種類にはいくつかあります。
また、今回のコロナワクチンも1種類だけでなく、いくつかあります。
しかし、メインとして開発されているのが「遺伝子を利用した」ワクチンです。
このワクチンは、これまでのようにウイルスや菌から作るのではなく、コロナウイルスの遺伝子情報をもとに人工的に作成したメッセンジャーRNAという遺伝子を利用します。
ウイルスや菌を使っていないので、安価に製造でき、開発のスピードも早く、ワクチン接種からの感染の心配もありません。
しかし、メッセンジャーRNAは管理がむずかしく、輸送にコストがかかることと、今回のように大規模な使用の前例がないため、他のワクチンと違った副反応が起こる可能性が考えられます。
これからも、ワクチン接種後の免疫獲得の状況や、副反応の内容を慎重に見ていきたいと思います。