「肝」の養生で心と体をすこやかに!
寒い冬も峠を越しました。季節は少しずつ春に向かいます。
ポカポカとした陽光を待ちわびている方も少なくないでしょう。
東洋医学では3月から春と考え、この季節を発陳(はっちん)と呼びます。
万物が「さあ、これから繁栄するぞ!」と、元気が出る季節の意味です。
春は、たくさんの陽気を取り入れることができるので体も動きやすくなりますね。
しかし、反面、活動量が少なすぎると、体に余分に陽気が溜まることになります。
余分な陽気は、体をけだるくしたり、気分をイライラさせます。
さらに、春先は体のホルモンバランスが不安定になりやすい時期なので、陽気の処理がうまく行かないと心身ともに不安定感は強くなります。
陽気のコントロールに強く関わっているのが「肝」です。また、「肝」の重要な機能として、ストレスの処理があります。
なので、春先は健やかな心と体のために「肝」のバックアップが重要となります。
食養生は「苦味」と「酸っぱさ」がポイント
春の食材には「肝」を助ける「苦味」のあるものが多いです。さらに「酸っぱさ」も「肝」の働きを助けます!
春の基本の食材
新玉ねぎ 菜の花 春キャベツ たけのこ ふきのとう わらび ルッコラ スナップえんどう
いちご キーウイ 柑橘類
タイ アジ カツオ サワラ あさり
肝の働きを助ける「酸っぱい」食材
梅 ゆず トマト
レモン ライム オレンジなどの柑橘類
ブルーベリー
酢の物
春の食養生は血の浄化がポイント!
血の浄化のためは「たっぷりのお野菜」「多めの水分」そして「腹6分目から7分目」をゆっくり美味しく頂きましょう!
今月のツボ療法:だるさ、イライラを「大敦 (だいとん)」で撃退!
春先は、気候の変化によるダルさなどの体調不良や、イライラなどの精神の不安定感が起こりやすい時期ですね。
そのような時に試して頂きたいのが大敦のツボです。
ツボの場所と刺激方法
大敦は足の親指の爪のつけ根、第2趾(人差し指)側にあります。
大敦を手の親指で押さえ、ちょっと痛い位の強さで5~10秒押してください。お灸で温めるのも効果的です。
卵の値段と鳥インフルエンザ
世界的な社会構造の変化や、戦争による経済への影響などによりあらゆる物の値上がりが顕著になっています。
卵の値段も高くなっていますが、この原因は、上記の理由に加えて鳥インフルエンザ感染による、にわとりの大量殺処分のためです。
基本的に鳥インフルエンザはヒトへ感染しないとされていますが、今回、感染の報告があります。
また、過去には、鳥インフルエンザウイルスの変異が強毒性の新種のウイルスとなり人類にたいへんな被害をもたらした事実もあります。
この事例が、あの有名な「スペイン風邪」によるパンデミックです。
日本国内での野鳥、さらに動物園での飼育鳥の鳥インフルエンザによる死亡例は、確認されています。
もし、家の周りで鳥の死骸を見つけた場合、ゴム手袋やビニール袋で厳重に防護して処理するか、保健所へ対応をお願いする方が良いでしょう。