10月の養生は「肺」と「腎」を中心に養生しましょう!
10月の気候は運動、学習、仕事、いろいろな私たちの活動に適しています。
しかし、新型コロナウイルスの影響もあり、心身ともに疲れている方も多いでしょう。この気持ちの良い季節に、体だけでなく、心にも、十分な、癒しと栄養を与えることができるように、この季節の「気(エネルギー)」を取り入れましょう。ウイルスやバイ菌から体を守ってくれる、バリヤーの役割をするのが「気」の中でも「衛気(えき)」と呼ばれるものです。東洋医学では、この「気」は、肺の臓が作り出すエネルギーとされています。また、心の癒しと栄養を考えるとき、おもに「腎」を養うことが重要になります。
今回は、この時期、とくに「肺」と「腎」を中心に食材をみていきましょう。
食養生:「肺」を守り「腎」を養う!そして「心」を癒す!
果物や野菜、魚肉は、大自然からの恵みです。そして、この季節の実りは豊かです!ぜひ、美味しくいただきましょう!
「肺」を守る食材
「肺」は「衛気(えき)」という体のバリアーを作っています。「肺」を守る食材は
ハチミツ ごぼう れんこん ゆり根 金柑 イチジク 柿 梨 ビワ
「腎」を養う食材
「腎」は「気」のベース(基地)のような存在です。これから冬の「寒邪」に対応するため今から少しずつ養っておきましょう。
山芋 黒豆 黒ごま 鶏肉 エビ 生姜 銀杏 牡蠣 クルミ
心身の疲れをとるの食材
ビタミンB群やメンタルを整えるアミノ酸が摂取できる食材です
豚肉 カツオ 納豆 山芋 ナッツ類 バナナ 小松菜
今月のツボ療法:「天牖(てんゆう)」のツボで肺と喉を守る
過ごし易い季節になりましたが、秋は冷えと乾燥対策が重要になります。
そこで、おすすめのツボは「天牖(てんゆう)」です。
喉の粘膜の乾燥対策、免疫力向上、肺を癒やして呼吸器系疾患の予防、首のコリにも効果が期待できます。
ツボの場所と刺激方法
天牖(てんゆう)は首の横にある筋肉、胸鎖乳突筋を下から上へ向かっていき、突き当たるくぼみです。
ちょうど顎の骨の高さくらいです。
親指を当て、気持ち良いくらいの強さで、目安として5〜10秒、3回ほど押してください。
強すぎると筋肉を痛める場所なので注意してください。

続・健康食品の効果は?
別の方から、ある健康食品について聞かれました。
今回は「栄養ドリンクは効くの?」でした。「疲れた時」や、「ここぞ!と頑張るタイミング」で飲むと効果があるとうたわれています。
実際に、飲んだ後、元気になるような感じがします。この効果は、ドリンクに含まれているカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールの気分高揚作用の働きがあるからです。
つまり、これらの働きで「疲労感」は解消したように感じますが、「疲労回復」にはなりません。
じつのところ、疲労回復効果は臨床試験で実証されていないのです。
また、栄養ドリンクを飲んだ後の尿が、黄色になるのは体に吸収されなかったビタミンが尿に含まれるからです。とくに、ビタミンBやビタミンCは、水に溶ける性質があり、成分表にある全てが、体に吸収されるとはかぎりません。
野菜やくだものなどの食物からビタミンを摂っても尿は黄色くなりませんね。食物繊維などの作用で、ビタミンが上手に体に吸収されるからです。
栄養ドリンクを否定するのではなく、適度に利用し、基本的には、日々の食生活を充実させていきましょう。
また、たっぷりの休息と、適度な運動も健康の要です。