デュアルタスク ながら作業は脳にいい⁇
同時に2つのことを処理したり、もしくはもっと多くのことを一度にこなすことをデュアルタスクやマルチタスクといいますね。
たくさんのものごとを効率よく短時間で処理するようにみえます、が、人の脳のについては要注意の行為になります。
機械やコンピュータなら部品を増やしたり、メモリーの増設やCPUの処理能力を強化するなどして全体の効率を上げていくことができます。
ところが人の脳については同じ種類の作業を同時進行させることは不可能のようです。
ここで注意すべきことは「同じ種類の作業」であって作業の内容によって可能なデュアルタスクは存在します。
そして可能なデュアルタスクは脳にとって良い作業であるということ、ここがとても重要になって来ます。
これについてはいろいろな実験や研究の報告がありますね。
では日常において具体的な行動から見てみましょう。
まず、避けなければいけない作業です。
たとえば友達とおしゃべりしながらスマホでメールチェックをしたり、電話をしながらパソコンで別の作業をしたりすることは脳にとって悪い負担になります。
またテレビを見ながら勉強をするのもよくありません。
これらの作業は同時に複数の作業をこなしているように見えますが、実は、一つ一つの作業を細かく区切って、あっちの作業とこっちの作業を行ったり来たりしているわけです。
あっちこっち行ったり来たりしているだけに集中力は低下しています。
さてそれでは脳にとって良いデュアルダスクとはどんな作業なのでしょうか?
それは歩きながら考えたり、音楽を聴きながら作業をしたりすることです。
知的刺激と有酸素運動は認知機能の維持にも有効とされている報告は複数見受けられます。
またいにしえから哲学の巨人や偉大な科学者は歩きながらその思想を練ったり、身体を動かしているときに素晴らしいアイデアを発見したりしていますね。
中国の古い言葉にも文章を練るには馬上(ばしょう)、枕上(ちんじょう;寝ている時)、厠上(しじょう;トイレにいる時)が適している、とあります。
シャワー浴びている時にアイデアが出てくることもよくいわれています。
これらのことは体を使うことや身体的刺激により脳内物質が分泌されそれが思考に良い影響を与えているからです。
この種のデュアルタスクは使っている脳の領域がそれぞれ独立しているということ、つまり前述の脳を疲弊させるデュアルタスクと違って脳内の複数の領域がそれぞれに働いているということなのです。
さらに嬉しいことにはこれらの作業はその相互作用によって、より効果の高い結果を期待でき、また脳の活性化、認知機能の維持、向上に有効ということなのです。
楽器の演奏などはまさにその代表格で、さらにウクレレなどはその演奏のしやすさから認知症予防にうってつけの楽器と言えます。
この演奏しやすさというのはとても大切なことで、あまり難しいとその作業自体の苦痛が大きすぎ脳内物質であるドーパミンなどが分泌する段階まで達しません。
作業自体が気持ちがよくて、さらに少し頑張ることによって達成感を得る、この少し高めのハードルがいいんですね。
なので、結論はながら作業はその内容によって選択すべし!ということですね(^-^)v