認知予備力は認知症予防の底力

歳をとっても、認知力が低下しない人がいます。認知症になりやすい人、またはなりにくい人の違いはどこにあるのでしょうか?

認知症の種類

認知症といってもその原因にはいくつかあります。もっとも多いのはアルツハイマー型で全体の約半分を占めます。
その他、脳血管障害、レビー小体型などがありますが、いずれの病変も一般的には脳の萎縮や脳細胞の変性を伴うとされています。

認知症とは著しく記憶力、思考力、判断力が障害され日常生活に支障をきたす症状を指します。
単なる物忘れとは明らかに一線を画しています。これについては少し前のブログでも書きました。

ところが脳の萎縮があっても全く認知症の症状が出ずに天寿を全うする人がいます。

驚くべきことです。

私も初めは「えっ、本当?」と思いました。
代表的なものとしてはアメリカのナン・スタディでの報告です。

このナン・スタディというのは数百名の修道女の協力による現在も継続中の大規模な研究です。
認知症についての研究はその中でも中心となる課題の一つです。

修道院では一人一人の修道女の生活が克明に記録されます。また定期的に試験のようなものが実施され、その方の客観的な知的能力等を測ることをします。

ある修道女が亡くなられ、解剖の結果、その方の脳が著しく萎縮していました。
ところが実際、実生活においては知的レベルも高く、リーダーシップを発揮して健康的で長寿を全うした方だったのです。

当然、今までの常識にそぐわない事実でした。

これだけ萎縮があればかなりの認知症を呈して当たり前、だったのです。
それも一例だけではありません。
複数の症例が報告されています。

そして研究は彼女たちに共通の特徴を見出します。

それは仲間や人との交わりが活発で、ユーモアのセンスがあり、文章能力が高ければ脳の萎縮があっても認知症にはならない可能性がある、ということです。
つまり脳を活発に使って知的刺激を与え続けることが認知症に対しての強力な対抗策になるということです。

これを認知予備力といいます。

私はこれを脳が健康でいるための脳の底力と考えています。

思うに知的刺激を脳に与える続けることができる源は好奇心ではないでしょうか?
人に対する好奇心、ものに対する好奇心。
これらが生きている間、自分の周りに豊かな人的、物的ネットワークを形成すると考えます。

このネットワークこそ脳に知的刺激という栄養を与え、認知予備力と言われる認知症に対抗する力を強力にバックアップするものだと考えます。

脳内でもそれぞれの部位が連携してネットワーク活動が活性している方が当然健康です。
社会的なネットワークと脳内のネットワークは高い相関関係にあるのではないかと考えます。

何より同じ生きていくのなら楽しい仲間と気持ちの良い日々を送る方がいいに決まっています。

私もこれからウクレレを通じ、音楽を通じてできる限りたくさんの人たちと楽しい時間を共有したいと思いますね(^。^)

Follow me!

お知らせ

前の記事

10月の養生
ブログ

次の記事

香りと認知症